DATE
先日、近隣のお客様の金仏壇を、洗い修復の為引き取りに伺いました。勿論、それ以前に採寸、状態のチェック、写真取り等を行いお見積書を提出し、作業内容を詳細に渡りご説明しています。しかしながら今回は、仏間からお仏壇を出してみてビックリする様な状態に遭遇しました。両横、後ろの壁板の虫食いがとても酷く、仏間の中は虫粉が一杯の状態でした。その家のお婆ちゃんと若奥様も確認をされたのですが、当方も多少の虫食いによる木地直しは慣れているものの、この状態は専門の木地師に出さなければ対応は難しいと判断しました。持ち帰り解体すると、他の部分にも相当な虫食いが発見されて、直ぐにいつもお願いする八女の木地職人に連絡を取り、木地直しをお願いすることにしました。
今回改めてお見積の難しさを再認識させられました。見た目は痛みがなく状態が良さそうに見えても、搬出や解体後に今回の様な場面に遭遇する事はこれまでもたまにあったのですが、出来る限りの対応はさせていただいたつもりです。これからは、お互いのリスク回避に為にお見積に付帯事項を添付する必要性を感じました。これまでがある程度順調に推移してきた為に、ある意味当方の不備かもしれませんが、この歳になって反省です。
因みに、施主のお婆ちゃんは、そのお仏壇を40年以上前に、若くして亡くなられたご主人様のために買い求めた思い入れのあるお仏壇とのことでした。引き取り当日、仏間から出されたお仏壇を見て、本当に修復が可能なのだろうか?最悪修復不可能の為新規仏壇を勧められるのでは?ととても心配された様でした。当方から、悪い部分を全て木地直しを行い、形が変わったりすることがない事を説明すると、とても安心された様子で涙を流されていました。当方もお客様の期待に沿う様に精一杯気持ちのこもった仕事をさせて頂きますよ!